076 古い箱の中に

2012年01月23日 カテゴリ 未分類 投稿者 Delivery Works 俵藤ひでと

古びた入れ物の蓋を開けたり、覗いてみると
どこか不思議で、少し不安な気持ちにさせる映像が映し出されている。
写真家で美術作家の松原健氏の作品。

古い木の小箱や硯箱、医療用の道具入れや額縁、壁がけ時計など
以前どこかで誰かに使われていた物と、
現代のテクノロジーであるメディアプレイヤーを組み合せている。
古い物と新しい物の間にある隔たりを、映し出される映像作品が美しいギャップに変え、
それだけでなく、この古い入れ物達の生い立ちの記憶を覗き込むような感覚であったり、
映像を箱の中にしまって所有している感覚にもさせる。

松原さんが用意した入れ物を窓抜きしたり、ハーフミラーをはめ込んだり、
入れ物の中にメディアプレイヤーをレイアウトするのが僕の仕事です。
目に見えるところではないのですが、箱は全てカタチもサイズも違うので
ひとつ一つ現物合わせでパーツを作り、アクリルだけでなく、木材、アルミ、ステンレス、ゴム、マグネット、
様々な素材を使って器具を固定・設置します。

コンディションが良くない物は補修してストラクチャーを保たせたり、場合よって戻せると踏んだものは、
全部バラしてから中を加工して組み直したりもします。だいたい出たとこ勝負です。

古いもの、特に日本で作られた木箱の底には「大正九念参月新調」などと、筆で裏書きされていたり、
昔の職人さんの作り方や、息づかいを感じれる物もあり、
また逆に作らせた人が、昭和何年何月、幾ら支払ったとか裏書きがしてあって
当時の生活感をかいま見れて楽しかったりします。

国内外で展示が行われ、これらの作品のほとんどは海外のコレクターの手元に行っています。

そして近々、松原健氏の個展が恵比寿のMA2Galleryで始まり新作も見る事が出来ます!
今回も幾つか制作補助させて頂いた作品も出品していると思います。
お時間ございましたら是非ご覧下さい。

松原健 “眠る水” / Ken Matsubara  ”The Sleeping Water”
場所: MA2 Gallery
展示期間 : 2011.2/3 fri – 3/4 sun   12:00-19:00
休廊日 : 月曜・火曜
入場無料

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