078オヤジの挑戦 1

2012年4月24日 Delivery Works 俵藤ひでと

誰にでも そして すべての物事に 正面からは見えない側面がある

などと、ちょっとカッコ良く言ってみましたが
私の親父は、そんなことはお構いなしに
正面からも、側面からも
木のブロックを切り抜いていきます。

size : W90 D90 H450

この彫刻は、5軸のNC切削マシーンで加工したモノでも、
3次元造型機で作ったモノでもない。
「糸鋸(いとのこ)」という、細いノコギリ状の刃物を
上下に動かしているだけの非常にシンプルな機械で作っている。

正直、出来上がるまでどんなカタチになるのか想像できないのですが、
立体的になるとかなり複雑な形状になって面白いです。
(漢字でやってみたら、複雑すぎて一見何なのかわからない 笑)

size : W90 D90 H90

わざわざ「俵藤」って。どうせならもうちょい気のきいた文字でと思うのですが・・・

しかも、ウチの機械は40年前から使っている
かなり古いものですが、現在作られている糸鋸盤では作業できない
大きいサイズの板や、厚いものをカットできるスペックを持っています。
(ただ古いだけじゃないトコロがいい!)
構造もシンプルにできてるので修理しながら使い続けることができる。

刃物が上下に動いているだけなので、言うまでもなく
加工する部材を正確に動かさなくてはならないので、
自由に、思い通りに切るには、結構な技術がいります。
それが、このような分厚いモノだと更に難しい。
(一般のモノより、長い糸鋸を取り寄せ90mmの厚さまで挽けます。)
親父は昔、これ一本で食っていたと言っても過言ではない。

友人の結婚式の為に、二人のイニシャルTとYで作ったリングステージ。

現在は、レーザーカットやウォータージェット、
NCマシーンなど、データ入力でカットしてもらうことも多いのですが、
ウチらはこの糸鋸を現役で色んな加工にバンバン使います。

デジタルなプロセスで加工する仕事が当たり前となった今
このような、職人技が出来る人も少なくなりましたが、
親父は糸鋸でやれる表現に挑戦しています。

それが職人としての親父の側面かもしれませんね。

photo:Takaaki Koshiba

077忘れないためのネームプレート

2012年3月10日 Delivery Works 俵藤ひでと

子供達のために作った、みんなの名前を入れたネームプレート。アクリル製だから食べられない。
“ Don’t eat , if you want it ! ”

便利なモノは時に、甘いチョコレートのようにとても魅力的に感じたりする。

永続的にエネルギーを作り出す、まるで打出の小槌の様な原子力も、
そんなふうに見えたのかも知れない。

だけど、人類にとってそんな都合のいいモノがある訳がない。
引き換えに、半永久的に人々の生命や生活を脅かし続ける仕組みにもなる。

人類はおそらく、原子力をコントロール出来ない。そう思った方がいい。
いつか原子力を完璧に操れる技術が出来るなどと思い上がっていると
また同じ事が繰り返されるから。

僕らの子供達が大きくなった時、同じ問題が起きないように。
そして同じ問題が起きそうになったら、ちゃんと議論できるように
感じていてほしい。

今はまだ解らなくていいんだ。
おいしそうなチョコレートが少しとけ出してしまった
ネームプレートにそんな意味が込められてるなんて。

あれから1年、忘れないために.

073NIKEさんのお仕事

2011年9月13日 Delivery Works 俵藤ひでと

7月のはじめ、ウチの工房3軒左隣りの設計施工事務所レストの長谷川くんから

「俵藤くん、仕事ぉ〜」と電話。行こうと思えば30秒で行ける距離。
代理店の方もその場におられて、すぐにミーティング。
「NIKEさんのお仕事なんですが、こんな事を考えてます。出来ますでしょうか?」

NIKE HIPERFUSE (ハイパーフューズ) という、
縫製をせず熱圧着によって一体成形するシリーズがあるようで、
昔の型(AIR MAX 90、AIR FORTH 1など)のシューズを、そのテクノロジーでリデザインされたコレクションのPR。

色はヴィヴィッドで、パーツがレイヤー状に重なっている感じをアクリルで表現できないか。
それを、ウィンドーいっぱいにディスプレイしたいと。
「まだプレゼン段階ですが、4日後にそのプレゼン的なものが・・・」
サンプル製作費出します。プレゼンに通らなくても自腹切りますという男気を買い、
大至急デザインとグラフィックデータを作成し、3日で作りました。
外注業者さんにも休日出勤強要(ご無理を言ってスイマセンでした)


3枚のアクリルパーツを重ね、スニーカーのグラフィックもレイヤー別に分かれ、少し立体感を出してます。
グラフィックはレーザー彫刻で削っている。

数日後、このデザイン案が通ったと言う嬉しいお知らせと、
同時に5店舗やる事が決まったと言う、大変なお知らせを頂きました。

セレクトショップ「BEAMS」さんの店舗を中心に、
スニーカー専門ショップさんの売り場を一定期間お借りして展開する予定で、
場所は、渋谷、池袋、上野、大阪、それぞれの店舗に合わせたディスプレイを行う。

レストの長谷川くんも、ハンガーやディスプレイ台、どでかい什器の設計や製作の手配などで、大忙し間違い無し。

しかし、企画デザインが固まるまで、展開する予定の各店舗さんへは話しが通らないので、
現場採寸や現場写真撮影などが堂々と出来ない。
でも、現場行ってボリューム感や、環境状況を調べないと見積りも出せない。
なので、「天高、2500くらい?」とか、「450ミリ角のタイルが5枚分ぐらいだから・・・」
とか、現調は勘だより。

ところが、店員さんとスニーカー談義に花を咲かせるレスト長谷川くん。(長谷川くんはスニーカー大好き)
「このスニーカー、マジいいっすね!買っちゃおうかなー」と、本気で買い物しようとしているのか?
ちょっと不謹慎じゃない!マジメにやってよ、と思ったのですが、
どうやら、店内で明らかに商品を見ず、天井と床ばかり調べる不審な僕をカバーリングしてくれてたみたいです。

とまあ、お互いをサポートしつつ、ご近所という地の利を活かした最速連携プレイで、何とか無事に同時5店舗
納める事が出来ました。

デカい什器を組立てる、レストさん達。

高さ2.3Mあるディスプレイ什器のフレーム。

渋谷atmosのウィンドウ

枠をはめ、ワイヤーを張って吊っている。

渋谷BEAMSのウィンドウ


100個ぐらい吊ってます。

子供の頃に見てた、たくさんの色のアクリルがいっぱい。
久々に、アクリルらしい作りものをやった気がしました。

これが“NIKE HIPERFUSE”コレクション

068mizukagami 展示会を振り返って

2011年1月7日 Delivery Works 俵藤ひでと

昨年、原宿ROCKETの展示では、たくさんの方にお越し頂きました。お忙しい中、そして会場まで迷いながらも足を運んで下さり本当にありがとうございました。

この展示はアートディレクター長嶋りかこさんとの共作でした。彼女の考えるクリエイションに、僕がどこまで表現できるかイメージと技術のせめぎ合いで、製作は非常に苦しいものでした。

だけどそれ以上に、僕の意識の範囲を超える新しい価値観や感性でのモノづくりの中で得たものはたくさんありました。モノを作れる人間は作って終わってしまうことが多く、それをどう見せるかどう伝えるかというところまでなかなか行き届いていないと気付いた。自分の土俵だけでモノ作りをするのではなく、時には非効率的でリスクがあっても挑戦することが必要で、僕にとって今回それは手仕事を惜しまないことだった。

そしてこの展示会はたくさんの人たちの協力があってできたのです。本当に感謝です。

力を貸して下さった皆様本当にありがとうございました。

2011年もどうぞよろしくお願いいたします。

俵藤ひでと






034バングルのデザイン – メイド イン ジャパン –

2007年7月20日 Delivery Works 俵藤ひでと

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