070読書の秋 2010
2010年10月1日 EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫
最近 やっと涼しくなってきましたね
今回はモノ作りやデザインに関するお薦めの本を紹介します
秋の夜長に ぜひ、、、

ジャン・プルーベ企画 : ヴィトラ・デザイン・ミュージアム他出版 : TOTO出版
職人でありデザイナーであるという現代手工業的な人々はいつの時代も
少数ですが存在しましたが このジャン・プルーベは別格じゃないでしょうか
彼の作品も活躍も あまりにも有名なので それらについてここでは何も言いませんが
読んでびっくりしたのは実は彼のお父さんヴィクトール・プルーベはエミール・ガレ と共に
芸術と産業の親密な結合を掲げた「芸術産業地方同盟」いわゆる
アール・ヌーボーのナンシー派の指導者の一人だったらしい
そしてジャン・プルーベは16才の時から 父の友人が
やっているゴリゴリのアール・ヌーボーの金属工房で
鍛造や溶接の修行をしていたってゆうから もうビックリっていうか
だからあんな金属バリバリのモダンデザインの中に何か暖かみを感じさせるのかと
妙に納得させられた 写真資料もドッサリの納得の一冊です

創造の狂気 ウォルト・ディズニー ニール・ゲイブラー著出版 : ダイヤモンド社
みんな大好きミッキーマウスの生みの親 ウォルト・ディズニーの
クリエティブってヤツはこんなにも激しく過酷なのかっていう本です
白雪姫で初のフルカラー長編アニメーションを発表して大成功を収め
その後、数々のミッキーマウスの映画で更に成功した後も
稼いだ以上にもうお金を使う使う クリエイティブのためなら湯水のように使う
おかげで お兄ちゃんはいつも銀行に行って金策に駆けずり回る日々
本当にリッチなったのはディズニーランドが成功した後っていうから
それは そうとう晩年っすよ
クリエイティブを一人じゃなくて会社で進めていくって事の難しさ
もヒシヒシと感じるヘビィーな一冊です

奇跡のリンゴ石川拓治 著出版 : 幻冬舍
皆さんは困難にぶつかった事ありますか
絶対不可能といわれた無農薬でのリンゴ栽培をやった木村秋則さんの本
NHKのテレビで放映されて あまりにも反響が大きかったゆえの出版らしいです
難しい事に挑戦する時 諦めないで どこまでガマンして進んでゆけるだろう
「ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合うことができるんだよ」
とは木村さんのお言葉ですが 苦難に屈せず挑戦する様はマジ で鳥肌もんです
力石徹の減量より凄いです 泣けます
クリエイティブな仕事をしている方 必読の一冊だと思います
ボク一個人としてはUFOにさらわれた話とかも好きです

町工場 強さの理由梅原勝彦 著出版 : 日本実業出版社
コレットチャックという金属部品を製作する小さな町工場を立ち上げ
ジャスダック市場に上場までした方のお話の本
社員が100人近くいるのにタイムカードもないしロクな会議もないらしい
会議は年間で 30分以下だっていうから マジっすかって感じです
ドラッガーの経営哲学も立派ですけど この人の言ってるコトも半端じゃないです
不況の時は次の好況の準備をするって言うは易し やるは難しっすよ
上場した時、創業者の株をパートのおばちゃんにまで分けたっていうから凄くないですか
小さな町工場の経営者の方にお薦めの一冊です

オタクで女の子な国のモノづくり川口盛之助 著出版 : 講談社
日本のモノ作りをこんな変な(スイマセン)角度から
見てる人がいるんだって驚いた本です
何かというと すぐキャラクターを使う商品とか
いつまでたっても大人になれない子供っぽい日本人とか
あんまり好きにはなれなかったんですけど
コレ読んだら「もしかして その線もアリじゃね」って思えました
他にも「日本のプロダクトってなんて素晴らしいんだろぅ」と
素直に再確認できるようなモノが様々なジャンルに分けて紹介してあります
ヲタク文化やギャル文化についてなど ドコまで共感できるかは
人それぞれだとは思いますが 普段の自分とは全く違う人の意見を
読んでみるのもなかなか面白いと思わせてくれた一冊でした

ア・ウェイ・オブ・ライフ 28人のクリエイタージャーナル竹村卓 著出版 : ブルースインターアクションズ
スケーター、ミュージシャン、フォトグラファー、ペインターなど
主にアメリカで活動してる28人のクリエイターにインタビューした本
どんなトコに生まれて どんなふうに育ってきたのとか、
何で今の仕事をしてるのとか
フランクにフレンドリーに書かれていて その人の写真も作品
の写真も何かイイんですよ自由で
今年の現代手工業乃党の展示会でコンセプトブックを作ってみたんです
元になっているのは IID(世田谷モノづくり学校)にあった
「LOOK FORWARD! interviews 」
っていうわら半紙で出来たクールな本なのですが
内容を考えている時にこのア・ウェイ・オブ・ライフの本を思い出して
ボクもカメラを持って 話しを聞きに みんなに会いに行こうって気になったんです
製本に関しては 現代手工業乃党のボク達らしく どこまでも 手作りでしたけどね

チェンジメーカー/チェンジメーカー 2 社会企業家という仕事渡邊奈々 著出版 : 日経BP出版センター
社会企業家という言葉を聞いたことがありますか?
「社会福祉」というのと「お金儲けの起業」との造語です
お涙頂戴の古くさい社会福祉だけでもないし、儲かれば勝ちという
ビジネスだけでもない
あたらしい起業の在り方のようです
困っている人々のためになる物資やサービスを提供しながら
それでも利益を出す会社を運営するって かなり難しそうですよね
それをやっちゃってる人々が世界にはいるんですね
この2冊で35人くらい紹介しているんですが凄いのは彼
らの凄まじい行動力なんですよ
NPOの経営ってボランティアじぁなくて ちゃんと適正な運営
ができるんじゃねーのかって
やる気の湧く一冊です
今年の夏 暑かったですよねー
何だったんだろ アレ

