081slaptone

2011年9月30日 EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫


何年か前に表参道で半端じゃなくカッコいいDJブースを見つけて
不覚にも 見とれてしまった事がありました
デザインしている本人が作っているに違いない匂いがビンビンにしていた
絶対に外人だろうと思ったのですが それにしては作りが上手すぎると、、、
それは slaptone がデザインして作ったモノでした

今回は代表の平山さんに お話を伺ってきました
平山さん (以下 h)
モノ作ってても 面白くて楽しいだけじゃなく ブルースな面もあるよってのが
ボクをはじめslaptoneで一緒に作っている彼らも分かってるトコなんですよ
思ってる以上に上手くいかないこともあるけど けど それでも 楽しくやっていくには
好きなトコしかないのかなって、、、
偏っちゃってるんで、、、好きなトコが、、、
カタヨっちゃってる以上はどこまで偏れるかをやらないとダメだって
気づいたのが5年くらい前かなぁ
何か 行き着くトコまでいかないと「つまんない オレ」ってなっちゃうから
清水 (以下 s)
偏って善しとしてる様がカッコ良さなんでしょうね
あのDJブース スンゲー ヤバかったですよ
アレってどうやって作ったんですか

h  木軸 組んで そこにアルミをぶつけてリベットで打ってるだけですよ
s  角アールの箇所は?
h  角アールは 叩いて作ったりとか、、、
s  一つ一つ ?
h  一つ一つ(笑)

s  このソファーは?
h  このイスはボクの乗ってる{タテグロ}っていう車のイスなんですけど
超格好良くてロッケンローでクオリティーがもう半端じゃなくて
コレ 事務所のイスにしたいなってトコから入ってって、、、
だったら脚はこんな感じだろうと
で、後で この脚の感じで作ったハンガースタンドがYohji Yamamoto の
什器になっちゃったりしてます
s  ちなみに この車のイスだけってのはドコから入手したんすか?
h  そりゃー 天下のヤフーオークションっすよ(笑)
s  このイスだけで売ってるんすか !
h  このイスだけで 売ってるのっ !
一年半も ずーっと 出るの待ってた(笑)
インターネットが普及してから 仕入れが変わったよ
カメラのライカのボディーに使っているあの合革とかも
ずっと前から使いたかったから 欲しくて欲しくて 探してたんだ
当時 誰に聞いても分からなかったけど 今は 入手できるようになったしね
インターネットって 凄いよね
s  実際 インターネットのおかげで 仕入れ先が 昔に比べて100倍以上 広がった
のかもしれないっすね
前は いつもの仕入れ先の業者さんに無かったら あきらめてたから

h  「何を作りたい」っていうのがハッキリあればネットを使いこなせると思うよ
なんとなく「何か作りたい」じゃネット見てても 何も出てこないよね
s  平山さん 偏ってるから 方向性が明確だし(笑)
よくぞ ここまでブレないっていうか 作品にパワーがあって
見てて グっときちゃいますよ
h  それは モノの裏にネガティブさが見えるからグっときてくれるんですよ(笑)
、、、昔から作りたいモノがいっぱいあって
作りたいけど 作れないモノを絵にしてネタ帳に延々と書留めておいたんですよ
ノート20冊くらいあんの、、、
それを 紐解いて 作れるモノから作ってるだけなんだ
s   スッゲー
h  けど それが今 作れるようになったのは ある意味 インターネットのおかげなんだよね
仕入れんのだけじゃなくて
例えば 車の板金の技術だって 昔はそういうトコに弟子入りしなきゃ分かんなかったじゃん
今 ネット見たらノウハウとか載ってんだもん
見よう見マネでやってみようって思っちゃうよ
s  元々 作れるわけだから 見れば何となくフィーリングで解っちゃうんでしょうね
h  アメリカのロサンジェルスのガレージをのぞけるなんて楽しいでしょ
そこを見て 床にポロって置いてある工具とか機械とかを見て
「あー これで凹んだトコ引っ張ってんだ 絶対っ」って思って
じゃぁ オレの持ってる工具を改造すればイケんなぁーとか(笑)
で やってみて なるほどなーって感じ
自分の工具を改造してまでやってさ
その後 板金屋のオヤジが来て その工具 見て
「こんな工具 売ってんのに」って言われて「ガクー」って(笑)
s   (笑)

s  平山さんは 金属でモノ作り始められたのは いつからなんですか?
h  ムサビの金工にいたんだけど クラフトやデザインよりもファインアートに興味があって
けど 学校は工芸科だったんで そういうの受け付けてくんなかったんで
学校の外にテントを建てて マイ工房を作ったんですよ
そこで 潜水艦とか そういうのばっか作ってて、、、
んー で どーすんのかなっていうのもあったんだけど(笑)
で 大学院の時に近所に工房を借りてモニュメントとか作って学費 稼いでみたいな
学校出てからは そん時 周りの知り合いに設計事務所の人々がいたので
ちょっと頼まれた什器とかモニュメントとかを自分の工房で作ったりしてた
その後 trico の佐伯くんに会うんですよ エアーコンディションに友達がいたので
彼らから外国のデザイナーのプロダクトを作ってくれって頼まれるようになって
で そういうの作っているうちにインテリアデザイナーの李さんと仕事するようになったんだ
それまで 内装とかってあんまり興味が無かったんだけど
あそこまでコンセプチュアルで 自分がやりたい事やるってのが
「この人なんなんだろー」って思って(笑)
空間やるとココまで こういうもん作れるんだって、スゲーなーって、、、
金属でいくら作っても これは出せないよなーっていうがあって
それから空間、内装に興味を持って 「じゃあ店舗業もやっちゃおうかな」って
お店の製作を丸受けするようになって、、、いゃー そしたら もう 大変でさぁ(笑)
s  (笑)
h  けど まぁ 一通り 店舗内装の施工を自分でやってみて
今まで自分が作った什器ってモンが納まるのが こういう空間なんだって
こういう流れで こういうモンが出来て お客さんの手に渡って
それからそのお店が展開していくんだっていうのが解ったっていうか
段取り的には1から10まで見えたってトコがあって、、、
s  頭の中で全てが繫がったんですね
h  そう だから こういうモンはこういう付け方しなきゃいけないとか
だから段取りとして こういうパーツは先に こうしておいた方がいいとかが
良く解って、、、で、一通り解った時点で
「もう 内装ヤーメタ」って思って(笑)
s   やめちゃうんだ(笑)
h   だって 内装の方やってると そっちが忙しすぎて 什器を作る方に
時間がまわせなくて 納得のいく什器を作れなくなっちゃってたから
s   あぁー 寒いくらい分かりますよ
h  やっぱり そこで もう一回 金属に戻ってきて
じゃぁ こういう流れの内装の工程の中で しかも 自分がやりたい金属の部類で
「何が表現できんのか」っいてうトコから模索し始めて、、、
で、 こうなってきたっていうのはありますよね
s  一周して二週目なんだ、、、どおりでモノに説得力があるわけだ
h  それからは設計や施工の人と始めの段階からディスカッションして
ボクが出来る範囲ってのはこういうコトで、お店の中で最大限に生かすには
こういう展開の仕方をさせてもらえると嬉しいんですけどっていう感じで
プロジェクトに入るようになってからは
納得いくモノ作れて、納められて 面白くなってきましたね
結構マニアックな設計の人と仕事する時とか 作っててワクワクする瞬間は
多々ありますよね
ここ最近 面白い仕事が増えてきてるんで
どんだけムチャ出来て それがちゃんと まとまんのかってのが
僕らの仕事の見せ所っていうか slaptoneの出番じゃないのかなぁ
有限会社スラップトーン
平山 徹 下條 圭司 土屋 貴志
東京都板橋区舟渡3-15-23
tel  03-3967-7304
fax 03-3967-7305
www.slaptone,jp

近年の主な代表作として

Yohji Yamamoto (池袋店)

Y’s (名古屋店)

DUKE capo (下北沢店)

RUGGED FACTORY (渋谷店)

shinzone (青山店)

Le cabaret (代々木上原店) など
10月29日から10月31日まで 青山のLight Box Studioで行われる
現代手工業乃党の展示会に slaptoneの皆様には
スペシャルゲストとして作品を出展していただけることなにりました

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slaptone への3件のコメント

  1. 2011年9月30日
    かなぐやさんがコメントしました。

    ほんとシビレます!!

  2. 2011年10月1日
    hitin metals 佐藤江利子さんがコメントしました。

    やっぱり徹さんカッコイイですね〜!!!
    展示会、よろしくお願いします!

  3. 2011年10月3日
    yumさんがコメントしました。

    超かっこいいです・・
    徹さん一度しかお会いしたことないですが、
    太田にススメられてHP拝読しております。
    下條さんには多々お知恵をいただいてます!
    展示会とても楽しみです!!

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