082ツナギ屋になってみよう
2011年10月24日 EXIT METAL WORK SUPPLY 清水薫
冷やし中華の季節はもう 終わりましたが
秋冬用 ツナギ 始めました
約20年もの間 ツナギを着てほぼ毎日作業してきたボクは
何でツナギの「エリ」に台衿が無いのか不思議でした
グラインダーのカット刃で鉄を切断してる時 火花がフェイスガードの下から
入ってきて 喉に当たって 熱つ痛くないですか?
ツナギのメーカーさんと打ち合わせして「衿を開衿じゃなくて台衿を付けてほしい」
といったら「そんなツナギは作れないし 作った事がない」って言うんですよ
んーな訳ないでしょと食い下がり やっと 作ってもらえました
ツナギのソデ口って開いてるじゃないですか
たいがいベルクロで開閉するタイプが主流なんですが
そのベルクロが軍手にくっ付いてウザくて
そのうち軍手の白い糸屑みたいなのが
いっぱいくっついて そのベルクロが使えなくなって
そこからドリルの切り屑が入ってきて 熱いんですよ
しかも ソデの長さが短くて 両手を伸ばして作業してると手首が出てしまって
さっき溶接した箇所に触れてしまって 手首を火傷したことありませんか?
だから 袖口は筒状にして 手をのばしても手首が出ないくらい
袖自体を長くしました
ボクは昔 大きいシェルフを胸で抱えて運んでいる時に胸ポケットの金属ボタンで
商品をガリーっと傷付けてしまったコトがあります
だから ポケットのフラップなどは全てベルクロ止めで
ジッパーも小型でラバーコーティングされたモノを使用しています
ウエストについてるDリングのアジャスターって
たいがい脇腹の真横に付いてるじゃないですか
少し大きくて重い板などを小脇に抱えて運ぶ時 カチカチとブツかって
モノを傷付けちゃうんですよ
だから 後ろ45度くらいにズラして しかもカバーまで付けました
こうするコトによってアジャストできる長さが増えて
腰に しっかりと締まるので
ツナギの上半身の部分を脱いで腰に縛る時など
もう ズリ落ちたりしないんです コレ 画期的じゃないっすか !
ツナギの上の部分を腰に巻いて納品作業中にズリズリ落ちてくるのに
デカくて重い荷物を2人で運んでるから直せなくて
ボクは半ケツ出してまで 搬入してましたよ
いい歳こいて、、、しかも代官山で、、、
あの恥ずかしい思いは いったい何だったんでしょう
生地はコットン100%の分厚いオックス生地を使用しています
ポリエステル混の生地のツナギが主流ですが
グラインダーの火花が当たると溶けてしまうので それではNGなんです
あと縫製のも細い糸だと 燃えて無くなってしまうので
糸も20番手の太いヤツを使用しています
ヒジ当てもヒザ当てもしっかり付いています
サイズはSSから3Lまでの6サイズを根性で 用意しました
この写真のモデルはhitin metals の佐藤江利子さんですが
身長154cm でSS着用で ちょうどいい感じです
肩幅も80年代の吉川晃司的な大きいのはナシですが
タイトだと作業しにくいので ジャストくらいにしています
全体のシルエットはアメリカ製のあのダボダボ感とは差別化をしたかったので
あえて少し細身にしています
ボクが作りたかったのは製作物を傷付けないために最大限の配慮があって
かつ 着る人を火傷やケガから守る 鎧のようなツナギなんです
10月29日から31日の三日間 青山のLight Box Studio にて行う
現代手工業乃党の展示会場の端にそっと置いておきますので
みなさんの展示作品を見るついでにチラっと見ていただければ幸いです
ちなみに このツナギを作るプロジェクトの名前は
exit factory clothes (エグジット ファクトリー クロージーズ) にしました
3月下旬には 春夏用ツナギもご用意いたします
どうぞよろしくお願いいたします


党首〜
いよいよ完成したんですね〜
う〜ん、モデルがいいのでより良く見えます〜
まさに働くひとの味方
ファッショナブルでカッコいいです〜