Array「私の道具 -ヤスリ編- 」
2012年5月17日 hitin metals 佐藤江利子
つい先日まで、淡い緑がふわふわと山を覆っていたのですが、もうすっかり深緑になりつつあります。
この時期は本当に草の成長が早いですよね。
近頃はまず、雑草との戦いから一日が始まります。
去年、あまり真面目に取り組まなかったら、夏の終わりに工房の周りが大草原のようになってしまいそれを刈るのに大変な目にあったので、今年は早めに。
どんどん生えるし、ぐんぐん伸びるので、大真面目にやるとヘトヘトになります。
少しずつ、でも毎日。
最近は、お庭が綺麗なお宅を見ると涙が出そうになります。
さて今回は、道具のご紹介をしてみようかと思います。
取り上げるのは、ヤスリ。
私は主に金属の仕事をしていますが、金属の仕事と言っても様々あります。
主に鉄を扱い、構造物などを制作する場合と、私のように、テーブルウェアやアクセサリーなどを、金や銀、銅、真鍮を使って制作している場合では、使う道具が異なります。
私の仕事では、金属加工の代名詞である(?)、溶接機やディスクグラインダーなどの機械工具をあまり使わない代わりに、棒ヤスリや糸鋸などのアナログな道具は毎日と言っていいほど良く使います。
というわけで、ヤスリは結構持っている方だと思うので、あくまでも私の視点からですが、少しご紹介したいと思います。
まず、ヤスリとは・・・ご存知の通り研削手動工具のことで、切り目と柄で構成されています。
一般的な形状が棒状であることから、棒ヤスリとも呼ばれます。
ヤスリは、切り目の入り方や棒の形状で沢山の種類があり、用途に合わせて使い分けます。
鉄工用の通常木製の柄を付けるヤスリは400ミリ〜100ミリぐらいまで様々。それよりも細かい仕事用の小型のヤスリは柄まで金属で出来ており、通常は220ミリ〜140ミリ程度。特殊なヤスリはもっと小さいものもあります。
ヤスリ目の種類は、荒い順に、荒目、中目、細目、油目。
刃の配列が平行のものを単目、交差しているものを複目、木工用などでは刃が波状の波目や突起している鬼目などがあります。
形状は、一番ポピュラーなところで、平棒状そのままの平(ひら)、丸、角、三角、甲丸。
その他、楕円、先細、刀のように片側が薄くなっている刀刃、目立て部分が台形の鎬(しのぎ)、文字通り笹の葉の形の笹葉、燕尾(えんぴ)は楕円の両のRがそれぞれ違うなどなど。
その他、R面に沿って反り返ったヤスリもありますし、自分でモノに合わせてヤスリを作りかえる方もいらっしゃいますし、みなさんの創意工夫を入れたらとんでもない種類になります。
私の場合ざっくり言うと、主に切り目部分が200ミリ〜150ミリのインチヤスリ(鉄工ヤスリ)で形を決め、割と大きめの細密ヤスリで綺麗にしていくという、本当にざっくりですがそんな流れで仕事をします。
どこのヤスリが良いなどの話は尽きませんが、私の場合はつまみ食いで、バローベやニコルソンなど有名メーカーのものもあれば、国産、職人さんの手切り、さらにはもらってきたワケのわからないメーカーのも使っています。
普段あまり気にしないで使っていたのですが、改めて自分が良く使うラインナップを見ても、メーカーはバラバラ。
行程ごとに手に馴染む厚みや大きさ、切れ味があるというのが私の言い分ですが、そこは人それぞれということで。
そんな中で、私が良く使うヤスリをご紹介します。
ヤスリはどの大きさでも、やっぱり基本の平を一番良く使う気がします。
ある程度厚みがある方が安定感があって良いです。薄い側面のヤスリはなくてもいいと私は思うのですが、みなさんはどうでしょうか。
それから、単目のヤスリ。これは目詰まりしづらいので前々から良く使っていました。でも、このヤスリに出会ってからは登場の回数が減ってしまった気がします。
そのヤスリとは、世界のニコルソンのマジカット。
これはザクザク削れるし、目詰まりしないし、初めて使った時は感動でした。
ただ一点腑に落ちない所と言えば、MADE IN U.S.AとBLASILがあって、何本か持ってるけどなんだかブラジルの方が切れる気がするんですよね。気のせいかな・・。イメージではアメリカの方が切れそうなのに、不思議。
その他、三角のヤスリも意外と使います。芯が厚いので、力を入れても反らず、便利。
それからインチヤスリの燕尾の油目も、曲面の仕上げなど、何かと重宝しています。
と、ヤスリ好きからのまだまだでしょ!という声が聞こえそうではありますが、今日のところはここまでということで。
あまりマニアな方ではありませんが、道具が増えると自分の助手が出来る感じで結構嬉しいものです。
またいい助手が見つかったらご紹介します。
☆ お知らせ☆
イベントに参加します。
「18.43 Festival」
5月20日(日)10:00〜17:00 雨天決行
東京都八王子市元横山町3-5-4-101 ギャラリー&カフェMODESTE及び全面道路
八王子にあるギャラリー&カフェMODESTEを中心にその前面の道路一帯を使った1日限りのイベント。当日はワークショップや展示、ライブやフード販売などが多数ある他、アートディレクターの佐藤直樹氏とシミズヨシユキ氏による対談型トークイベント「desart&dessert」もあります。
Hitinは、真鍮のチャームにお好きな刻印を入れる他、テーブルウェアやアクセサリーの販売も行います。
興味を持って頂いた方、お近くにお住まいの方など、お時間ございましたらお越し頂ければ幸いです。
よろしくお願いします!!
http://www.1843.jp/


ヤスリ!ワタシ最初に渡された工具ですよ。
自然な仕上りになるようにひたすらヤスったなー。。
少々感慨深くなってしまいました。笑
私も最初に使った道具ですよ。どっちで削れているのかなんて解らず、ただただ押したり引いたりしていましたよ。懐かしいですよね。
ヤスリ萌え〜www
俵藤さんの仕事も、切削命ですよね。アクリルは最後の追い込みが凄そう!!
>最近は、お庭が綺麗なお宅を見ると涙が出そうになります。
かわいそう〜、だけど超うける〜。
もしかしてこの虫はアオオサムシじゃないか。
本当にきれい。こいつがいるってことはハンミョウもいるね。
あー凄い!
実は数日前に、メタリックブルーの蟻の大きいみたいな虫も
発見してて。
今ハンミョウを調べたら、ツチハンミョウの写真が激似ですよ。
さすがですね〜!!
おみくじかっ!ていうくらいありますね〜笑
素材によって使う道具は違うでしょうから
そういうのを見るだけでも楽しいですよね〜
そうなんですよ。実はまだ沢山あります。。。
正直そこまで使いきれませんが、頂いちゃったりして。
小さな作業でも良い電動工具が出ている昨今ですが、やっぱりヤスリで決めたい時も多々。
使いこなせるように頑張りますー!!
マジカットっていう 名前が好き
そうなんです、妙な名前の優れもの笑。