025鋼材その15 スクラップ

2011年1月30日 井口産業 井口隆一郎

今年も始まって早一ヵ月を過ぎようとしており、たいへん遅くなってしまいましたが
改めて明けましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願い致します。

今回は、いつも『今月の鋼材相場』で出てくるスクラップについて話していきたいと思います。

鉄スクラップは、廃棄物とは違い古くから資源として扱われてきた商品です。
これを電炉メーカーで溶かし熱延する事によって新しい鋼材が出来上がります。
さて、そのスクラップはどのように集められどの様に分別されるのかをご存知でしょうか?
専門業者はスクラップが出ることを発生と呼び、「最近ひまだから発生が少ないね。」などと言いながら各自の発生元がどの様な業種でどの様なスクラップが出てくるかを知っていて逐次スクラップバック(かご)をチェックしています。
そして、絶妙なタイミングで引き取りを申し出て来る訳ですが、スクラップは相場商品なので高くなりそうな時はなるべく回収を遅らせ、安くなる時は早目に回収してもらうと言うやり取りがあり、土地が余っているような鉄骨業者等は何年もため込んだりしている所もあります。
基本的には、資産扱いになるので決算前には片付けるのですがステンレススクラップの様な金額が張るモノをうまく残していたりすると次期に助かったりもするのでなんだかんだとグレーな面があり税務調査の際は必ずチェックされます。

スクラップは、重さによって値段を決めるので台貫というトラックの体重計に入口と出口で乗ることでその差を総重量として換算します。
スクラップはその内容によって単価が違い、鋼材では厚みが6mm以上あるモノが良いものとされていて5ランクに区分けしており、色々混ざっているとその時点で1ランク下がってしまうようです。
切削くずはダライ粉といってまた違う商品として扱われ電炉メーカーでは溶かす炉にスクラップを投入する際に、炉が傷つかないようにクッション材として最初に入れるらしく意外と必要なスクラップになります。
長さも600mm以下が最も良くて長いモノは検収(査定)を下げて、業者のスクラップヤードでギロチンを使って細かく刻みます。
ギロチンに入らない大きな物などは手作業によって溶断して行きます。

台貫

グレードの高いスクラップ

1000tギロチン

ダライ粉

これもグレードの高いスクラップ

グレードの低いスクラップ

鋼材加工業者から発生したスクラップは生地の物も多くグレードが高いのですが、産廃業者からの発生した物は塗装されていたりメッキが施されていたりと色々な物が混ざっています。

仕上げに関してグレードの違いは、塗装されたモノはまったくグレードに関係ないのですがメッキ品は電炉メーカーで調質する際に影響が出るのでランクは下がってしまうようです。

分別されている事で単価が変動するにしても換金できるスクラップ、家庭ごみも資源としてお金になる時代が早く来ると良いですね。

今回は、清水鋼鐵株式会社様に写真協力頂きました。
いつもお世話になりありがとうございます。


今月の鋼材相場
上げ

2月もかなりの品種が値上げされる。
建築需要も増え始め、在庫薄も影響することでかなりの強気と伺えるのではないか。
今年の年始は去年と打って変わって前向きな話も多く、需要の改善を望みたい。

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