029鋼材その19 BTA加工と大型旋盤加工
2011年6月23日 井口産業 井口隆一郎
暑い夏に突入しようとしています。
遠いグラインダーの音が蝉の鳴き声に聞こえてしまう今日この頃ですね。
冷房が無い夏を、乗り切れるか心配な私です。
さて、今回はBTA(Boring and Trepaning Association)加工と大型旋盤加工を紹介したいと思います。
BTAとは、深穴加工の一種で太丸鋼を長さ方向に穴明け切削していく加工で比較的大きな穴を明ける工法です。
ドリルの刃のようにキリの側面に付いた溝から切り粉が排出されるのではなく、キリの中を通って切削油と切り粉が
排出されて行くので連続して加工できると共に従来のドリル加工よりむしれが無く仕上げ精度を上げる事が出来る
メリットがあります。
トンネルを掘るように切削して掘り進んでいくイメージです。
こちらではφ22mmからφ305mmの穴開け長さ6.5mまで加工が出来るとの事でした。
発明当初は大砲砲身の加工に使用されていたそうで、現在では主に産業機械などに使用されています。
深穴加工にはガンドリル加工と言うのもあり、細い穴をあけるのに適した加工になっています。
BTAとは違って、こちらはキリの側面を切削油と切り粉が排出されて行き、やはり普通のドリルの刃と形状は違い
キリの側面を直線にV溝が彫られていて排出経路となっています。
その名の通り、小銃やライフルの銃身を加工するモノだったようです。
φ1mmから加工できる所もある様で母材も丸鋼だけでなく板等も深穴加工していきます。
これらは、通常の旋盤やフライスよりも深く穴明け加工する専門の方法で、昨今の高性能な為に高圧な配管や長尺で
精度の必要な穴明けに優れています。
ゆえにかなりマニアックな加工と思われます。
大きな径を加工すると、キリの中心に抜き残が出来ます。
大型旋盤加工はその名の通り、巨大な旋盤加工機で色々な切削を施します。
一番大きな旋盤は長さ12mの直径1.7mにもなります。
フライスも巨大で造船や巨大なプラントパーツなども対応できそうです。
機械加工は根気のいる仕事です。
上の写真にある皮むきの加工一本で半日かかります。
こうした加工は、意匠的にはなかなか日の目を見る事は無いですが間違いなく日本の技術を下支えしているのではないでしょうか。
今回は、藤田商事株式会社様に取材協力頂きました。
いつもお世話になりありがとうございます。
藤田専務、ご協力感謝いたします。
今月の鋼材相場
強含み横ばい
需要不振は変わらずだが復旧需要が散見されている。
仮設住宅部材が市中にはないがだぶついている模様。
スクラップが下げ止まった事で横ばいとなったが先月までの様な強含みはあまり感じられない。


BTA加工 超クールです!
こういう事に 興奮してしまう私は マニアなのでしょうか、、、
清水様
それは、やっぱりマニアです。
そして、以前から気になっていて取材してしまう私もマニアなのかもしれません。
「マニア」と言えば「マニア」と言う
こだまでしょうか
いいえ だれでも
あっ、すみません。
マニアの上をいく職業病だったかもしれません。