空間を編む人

2014年9月9日 KNUT ceramic studio 小川由利子

 

                                                                     photo/大脇理智

今回、平川渚さんという現代アート作家さんをご紹介します。

彼女は空間の中を糸や布などを使い、編んでいくという作品制作しています。

置かれた場所で日々を過ごしながら

その場所の風や人・時を感じながら

蜘蛛が自分のテリトリーを広げて行くように。

そして展示期間が終わるとそっと姿を消し、また別の場所へと移動します。

「カセツ世界」レトロフトMuseo(鹿児島)

吹上町護国神社を編む(鹿児島)

スノードールの”洋服をめぐる物語”(静岡)

生きものの様に生まれてはなくなる、

偶然性と神秘性とが重なっているんだという事を彼女の作品から感じます。

細い糸も薄い布にも、連続と集合によって新たな強さも生まれます。

生きるものの習性と運命をより深くに感じているからこその表現です。

また作品を作る姿は、

見えないものを見えていない人に必死に伝えようとしている様にもみえます。

静かにひた向きに表現し続ける彼女の姿に、純粋さと内面の強さを感じました。

とても魅力的な女性です。

 

2014年6月、湯布院LINGONで行われた展示会では、箱の中の空間を編むという新しい作品も登場しました。

外からの力が内側の箱に集まっているイメージです。

自宅やSHOPのディスプレイとしても作品を楽しめそうです。

 

平川さんより作品についてのコメントを頂きました。

2004年頃から糸を使った作品をつくっています。

まねかれた場所を訪れ、その土地に滞在して空間に糸を編み拡げていきます。

手を動かしながら編んでいると、だんだんその「場所」だけのかたちが立ちあがってきます。

公開制作をしていることが多いので、編んでるところに色んな人が来て話をしたり、場所の持ち主の方と時間を過ごしたりすると、それにまた影響を受けてかたちができていきます。

期間が終わったら編む手を止め、そのかたちもそれで終わりです。

それをどこか他の場所に持っていって再び展示をすることはありません。

作品の性質上難しいというのもありますが、その場所その空気その人々でないと、成立しないものなのだと思っているからです。

最近は、人々の衣服を扱った作品も平行してつくっています。

その土地の人々の衣服を集め、ひとつひとつにハサミを入れて紐状にし、それを空間に編み込んでいきます。

中には亡くなったお母さんの着物、なども出てきます。素材として糸との大きな違いは、そこにそれを着ていた人の記憶や気配が乗っているということです。

あるいは、その着物を着たお母さんを見ていた娘さん息子さんの、思いが乗っていることです。

だから一度全てにハサミを入れ、そしてまた編む、という作業が必要になってきます。

身体の一部である手でつくること、手を通じて得た直感には素直に従うようにしています。

その理解の仕方を大事にしているし、その方法を信じています。

 

平川渚1979年大分県臼杵市生まれ

2013年5月より鹿児島市在住

http://www.nagisahirakawa.net/

 

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*お知らせ*

 

 

 

 

 

 

4 人 の か た ち -陶とガラス-  展

井上枝利奈 小川由利子 山崎美和 深堀知子

2014年9月16日(火)~9月21日(日) 10時~19時(最終日18時まで)

表参道 桃林堂  表参道B4出口 徒歩1分(みずほ銀行隣)

和菓子屋さんのギャラリーで展示をします。お近くにお越しの際は、是非遊びにいらして下さい。

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