013ららら工房探訪

2013年5月30日 monasuky 梶浦聖子

今回は漆工芸家の中村真さん、鋳造作家の戸津圭之介先生の工房のご紹介です。

時は2月、「ぶらり途中下車の旅」に登場した中村真さんを見て、急に会いたくなり明日遊びにいっていい?と連絡してみました。
ウズベキスタンに留学後、千葉・松戸に工房を構え漆工芸家として制作活動をしています。大学の先輩でもあり、偶然誕生日が同じでもあり、アジア留学仲間でもあったわけです。

松戸瓢箪村という「瓢箪をこよなく愛し瓢箪を使って作品を作る人の会」(真さんの言葉によると、瓢簞を育てて作って飲む集団)に属しているそうで、その長、瓢箪を育ててらっしゃる方の工房を案内していただきました。
ここがすごいのです!小さいものは数センチ、大きいものは赤ちゃん等身大サイズまで、工房は瓢箪だらけです。
ひょうたんひょうたんひょうたーん。


 

 

写真は作品にする瓢箪を物色する真さんと、瓢箪工房内部。瓢箪にこれほどまでに種類があるとは知りませんでした。自然の創りしものとはいえ、本当に美しい形をしています。なんとも言えぬ柔らかで微妙に揺れているような肌、ひとつとして同じの形のない人を笑わせようとしているかの形状。

そんな訳で真さんも瓢箪を愛し瓢箪を使って制作をしているのですね。納得。真さんのブログから→ 身近な器の話


こちらが真さんの工房。なんだかとても神聖な仕事をする机かのように感じました。いや、きっと漆を塗るのは神聖なのです。
室(ムロ)といって漆を乾燥させるための場所。工房内の設備はあれもこれも手作り、あれもこれも作ったり、拾ってきたりもらってきたり。賢い主婦というか、賢い作家はこうでなくては!見習うべきものの多いとても魅力的な工房と真さんでした。



おまけは真さんが遊びで作ったという切り絵。えっ!!すごい技。これも作品ですよね?ナカムラマコトの世界

 

そして、よく晴れたGW真っ只中、長野県小県郡にある戸津圭之介先生の工房にお邪魔しました。鋳造作家として尊敬すべき大先輩であり大学の恩師でもある戸津先生の工房は、空の広い山の中にありました。

冬は極寒だそうで、専ら室内で原型制作だそうです。春が来ると、こんな感じ!土間の先に延長された屋根の下で台座にする木を彫刻中だそうです。インドネシアの工房を思い起こす開放感(とプラスチックの椅子)です。


これは戸津先生改造の一人で注げる坩堝(るつぼ)。一人で溶かした金属を型に注ぐ場合、金属の上に溜まったノロ(ゴミ)を誰も除けてくれないのです。これは普通の坩堝に耐火セメントで付け足してあって穴が開いているので、ノロを除けずとも金属だけが流れ出るという仕組みです。

火床(ほど)という金属を溶かす場所を見せて下さる先生。今はロストワックス(蝋で原型を作り、鋳型を焼成して蝋を溶かし出して、そこに金属を流し入れる鋳造技法)で新作を作っているそうです。

 

ここは鋳型を焼成するための窯。この中に鋳型を並べて周りに大谷石を積んで鋳型の大きさに合わせた窯を毎回作ります。先生発案の方法は、鋳型を置く部分が砂になっていて、鋳型から流れ出した蝋がその砂に染み込むそうです!普通、蝋がうまく流れ出るようにレンガなどをかませて型を持ち上げて焼成するのですが、この方法だと窯内に鋳型を並べやすいです。次から私もぜひやってみようと思います。

 

先生お手製のサンドブラスト!これは使えなかったな、とおっしゃってましたが、やっぱり、作家は皆、ないものは作るのですね!

 

工房の道具たち。私はインドネシアで道具に困ると、日本の鋳造工房の写真を引っ張り出してきて、どんな道具を作ったらよいのか覗き見ていました。人を撮った写真でも背景に写っている道具を見るためにパソコンで拡大しまくります。「あっ、こういうの作れば便利だ!」というのを発見して、その写真と自分で考えた寸法を持って、地元の鍛金屋さんへ発注に行くのです。なので人の工房へお邪魔すると、いつか覗き見るための写真を撮るようになってしまいました。
戸津先生ありがとうございました。

次回は、いよいよ私の小さな小さな工房をご紹介しようと思います。

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monasuky 梶浦聖子 http://monasuky.shime-saba.com/

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ららら工房探訪 への6件のコメント

  1. 2013年6月6日
    かなぐやさんがコメントしました。

    ひっぱりましたね。じらされてます。
    鋳物の方って、どこか大らかな気質がありますよね。鍛金は自分の手を動かし続けて作品が進んでいきますが、鋳金やいったん手をはなれる時間や、熟成させるような時間が入っていきますね。

    • 2013年6月6日
      monasuky 梶浦聖子さんがコメントしました。

      ひぱってますか?!
      そうですね、確かに鋳物の工程は神に委ねるようなタイミングもありますね。
      自分ががんばってもどうにも進められない工程もあるので、大らかにならざるを得ないのかしら?

  2. 2013年6月7日
    REYT INC.さんがコメントしました。

    “背景に写っている道具”、見ちゃいますよねー。笑

  3. 2013年8月17日
    KNUT ceramic studio 小川由利子さんがコメントしました。

    瓢箪かわいい!あんなに大きいのもあるのですね。

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